• 2026年9月13日
  • 2026年9月18日

秋になって咳やくしゃみが増えるのはダニが原因かもしれません|自由が丘の内科・呼吸器内科

9月の半ばを過ぎたころから、「朝晩のくしゃみが止まらない」「鼻がつまって眠りが浅い」「夜になると咳き込む」といった症状が出てくる方がいます。

春の花粉症をお持ちの方は「また花粉の季節が来た」と考えますし、花粉症ではない方は「風邪をひきかけている」「冷えてきたからだろう」と受け止めます。ただ、この時期に症状が出てくる方のなかには、花粉でも風邪でもなく、室内のダニが関わっているケースが少なくありません。

ダニは季節を問わず室内に存在していますが、アレルギーの原因になる量という観点では、秋にピークを迎えます。この記事では、なぜ秋にダニアレルギーの症状が出やすいのか、咳や喘息とどうつながるのか、そして家庭でできることを整理します。

室内のダニでアレルギーに関わるのは、主にヒョウヒダニ(チリダニ)と呼ばれる種類です。人を刺すダニではなく、人のフケやアカ、食べこぼしなどを餌にしています。

ダニが増えるのは、気温20〜30℃、湿度60〜80%の環境です。日本の場合、この条件がそろうのは梅雨から夏にかけてで、6月から8月にかけて数が増えていきます。

問題はその後です。夏の終わりから秋にかけて気温と湿度が下がると、増えたダニは寿命を迎えて死んでいきます。ここで残るのが、ダニの死骸と、夏の間に排出されたフンです。

アレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)は、生きているダニそのものよりも、この死骸やフンに多く含まれています。死骸やフンは乾燥して細かく砕け、掃除や歩行、布団の上げ下ろしのたびに空気中へ舞い上がります。つまり、ダニの数が減っていく時期こそ、アレルゲンとして吸い込む量が増えるという関係になります。これが、9月から10月にかけて症状が出やすい理由です。

さらに、この時期には別の要因も重なります。

  • 秋の花粉:ブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどが飛散する時期にあたります
  • 寒暖差:1日の気温差が大きくなり、気道が刺激を受けやすくなります
  • 空気の乾燥が始まる:気道の粘膜が乾き、刺激に反応しやすくなります

ダニアレルゲンの増加とこれらが重なることで、症状がはっきりと出てくるのが秋という季節です。

ダニアレルゲンが秋に増える理由の図。ダニは6〜8月に増え、気温と湿度が下がる9〜10月に死骸やフンが舞い上がり、吸い込むアレルゲン量が増えることを示す。
ダニの数は6〜8月にピークを迎えますが、アレルゲンとして吸い込む量が増えるのは、死骸やフンが乾燥して舞い上がる9〜10月です。

秋の症状で難しいのは、鼻の症状と気道の症状が同時に動いていることが多い点です。

くしゃみ・鼻水・鼻づまりだけであればアレルギー性鼻炎として対処できますが、実際には咳を伴っている方が多くいます。そして咳がある場合、それが鼻水が喉に落ちることによるものなのか、気道自体に炎症が起きているのかで、必要な対応が変わります。

ダニアレルギーは、通年性アレルギー性鼻炎の主要な原因であると同時に、気管支喘息の原因アレルゲンとしても頻度の高いものです。鼻の症状として現れていた方が、数年後に喘息として現れることもあります。

季節の変わり目は、もともと喘息の症状が不安定になりやすい時期です。そこにダニアレルゲンの増加と寒暖差が重なるため、これまで落ち着いていた方の症状が動くことがあります。

呼吸器内科では、次のような評価を行います。

  • 血液検査:ダニをはじめとするアレルゲンへの反応を調べたり、アレルギー反応の関連する好酸球の数値を確認します
  • FeNO検査:呼気に含まれる一酸化窒素を測定し、気道にタイプ2炎症(好酸球性炎症)が関与しているかどうかの手がかりを得ます
  • 呼吸機能検査:気道が狭くなっていないかを数値で確認します
  • 胸部X線・CT:咳の原因として他の疾患が関わっていないかを確認します

「毎年この時期だから」と市販薬で過ごしている方の場合、こうした評価を一度も受けていないことがあります。原因アレルゲンが特定できれば、対策の優先順位も、治療の選択肢も変わってきます。

自由が丘フロントクリニックは、2026年9月17日に開院いたしました。一般内科の診療とあわせて、呼吸器・アレルギー領域の診療体制を整えています。

同日に検査から方針の説明まで

胸部X線、CT、呼吸機能検査、FeNO検査を院内で実施し、検査から結果の説明までを同じ日のうちに進められる体制を予定しています。何度も来院いただく必要を減らすことを重視しています。

アレルギーの原因を確認したうえでの対策

血液検査によってダニ、花粉、ペットなど複数のアレルゲンへの反応を確認し、生活環境で優先して手を打つべき点をご説明します。ダニやスギ花粉が原因として確認された場合には、アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)もご相談いただけます。

喘息の診療体制

吸入薬による治療を基本とし、症状が安定しない場合には、生物学的製剤を含む選択肢について保険適用の条件も含めてご説明します。

グループとしての体制

当グループは、複数の院に呼吸器専門医が在籍する体制を取っています。判断の難しい所見についてはグループ内で検討したうえでお伝えしており、これが診断の精度と説明の一貫性につながると考えています。

ダニアレルゲンへの対策は、完全になくすことではなく、吸い込む量を減らすことが目的になります。

  • 寝具が最優先:ダニアレルゲンが最も多いのは布団・枕・マットレスです。週1回以上のシーツ交換と、布団への掃除機がけ(表裏それぞれゆっくりと)を習慣にします
  • 湿度を下げる:室内の湿度を50%前後に保つと、ダニが増えにくい環境になります
  • 布製品を減らす:カーペット、布張りのソファ、ぬいぐるみはアレルゲンがたまりやすい場所です
  • 掃除は「舞い上がり」を意識する:掃除機をかける前に床を拭く、掃除中は窓を開けるなど、舞い上がった粒子を吸い込まない工夫が有効です
  • 防ダニカバーの使用:布団や枕を高密度繊維のカバーで覆うことで、アレルゲンとの接触を減らせます

これらは症状を軽くするための土台になりますが、環境対策だけでは十分でないこともあります。症状が続く場合は、原因を確認したうえで治療を検討する段階です。

自由が丘フロントクリニック
〒152-0035 東京都目黒区自由が丘1-29-1
自由が丘ミューズスクエア(JIYUGAOKA MUSE SQUARE)3F

自由が丘フロントクリニックアクセスマップ

診療時間:9:00〜12:30 / 14:00〜18:00
休診日:日曜・祝日
※診療受付は終了30分前まで

自由が丘駅正面口から徒歩1分。目黒区・世田谷区にお住まいの方、お勤め帰りの方にもお立ち寄りいただきやすい立地です。

■院長/医学博士 田上 陽一(たがみ よういち)

2011年防衛医科大学校 卒業後に各地の自衛隊病院で呼吸器内科の研鑽を積み。2020年から横浜市大呼吸器内科に入局し、間質性肺炎などの呼吸器疾患において日本のトップ病院である神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科 医長を経て自由が丘フロントクリニック院長に就任。

【保有資格・所属学会】

  • 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
  • 日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医
  • 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医
  • 日本感染症学会感染症専門医・ICD
  • 日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医
  • 日本結核・非結核性抗酸菌症学会結核・抗酸菌症認定医
  • 肺がんCT検診認定医
  • 厚生労働省認定臨床研修指導医
  • 身体障害者福祉法第15条指定医(呼吸器)
  • 難病法における難病指定医(呼吸器)
  • 緩和ケア研修会修了医
  • アレルギー舌下免疫療法適正使用管理体制に基づく講義の受講・試験の修了医

■法人理事長 井上 哲兵 (いのうえ てっぺい)

医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ 理事長/医学博士
日本呼吸器学会 呼吸器専門医

2019年4月に医療法人社団南州会 理事長に就任。現在は4院の呼吸器医専門クリニックを要するフロントクリニックグループを運営。

フロントクリニックグループ一覧

【保有資格・所属学会】

  • 難病指定医(呼吸器)
  • 緩和ケア研修会修了医
  • 医学博士
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本呼吸器学会 呼吸器専門医
  • 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
  • 日本医師会認定産業医
  • 厚生労働省認定 臨床研修指導医
  • 身体障害者福祉法第15条指定医(呼吸器)

秋にくしゃみや咳が増える背景には、夏の間に増えたダニの死骸とフンが乾燥して舞い上がり、アレルゲンとして吸い込む量が増えるという仕組みがあります。これに秋の花粉と寒暖差が重なることで、鼻と気道の両方に症状が出やすくなります。

環境対策は土台として有効ですが、症状が毎年繰り返している場合や、咳が数週間続いている場合には、原因アレルゲンと気道の状態を確認しておく段階です。気になる症状がある方は、一度ご相談ください。

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