• 2026年9月6日
  • 2026年9月11日

<自由が丘で咳で悩む方へ>大人になってから発症する喘息|咳だけ続くときに疑うこと

「子どもの頃は何ともなかったのに、30代になってから咳が止まらなくなった」「風邪でもないのに、夜になると息苦しくなる」——喘息は子どもの病気だと思われがちですが、大人になってから初めて発症するケースは珍しくありません。

実際、成人喘息の多くは大人になってから発症したものです。日本では成人のおよそ12人に1人が喘息にかかっているとされていますが、医療機関で治療を受けている方はそのうちのごく一部にとどまります。

この記事では、大人になってから発症する喘息の特徴と、気づくためのポイントを解説します。

大人の喘息は、子どもの喘息と何が違うのか

ゼーゼーしないことが多い

喘息といえば「ゼーゼー・ヒューヒュー」という喘鳴を思い浮かべる方が多いと思います。子どもの喘息では典型的な症状ですが、大人の場合は喘鳴を伴わず、咳だけが続くタイプが少なくありません。

喘鳴がないために本人も周囲も喘息と気づかず、風邪をこじらせて長引いているだけと思って市販の咳止めを飲み続けているケースがよくあります。

アレルギー体質でなくても起こる

子どもの喘息はダニやハウスダストへのアレルギーが関与していることがほとんどです。一方、大人の喘息ではアレルギーが関与しないタイプの割合が増えます。

成人喘息は大きく「タイプ2炎症型」と「ノンタイプ2炎症型」に分けられ、両方の特徴をあわせ持つハイブリットタイプの方もいます。約8割を占めるとされるタイプ2炎症型のなかにも、好酸球という白血球が関与するもの、アレルゲンに反応するもの、その両方を併せ持つものがあります。

「アレルギーがないから喘息ではない」とは言い切れないということです。

自然に治ることは難しい。

子どもの喘息は成長とともに症状が落ち着くことがあります。一方、大人になってから発症した喘息は慢性の経過をたどることが多く、完全に治りきることはほとんどありません。

これは悲観的な話ではなく、適切に治療を続ければ症状のない状態を保てるという意味でもあります。重要なのは、長く付き合う病気だと理解して治療を継続することです。同じ慢性疾患である高血圧や糖尿病などは食事制限や運動習慣の改善などの自身の努力によって治癒することもありますが、成人発症の喘息は残念ながら自身の努力ではどうにもならない事が多いのです。

30〜40代で発症しやすい背景

喫煙と受動喫煙

喫煙は気道の炎症を悪化させるだけでなく、吸入ステロイドの効果を低下させることが知られています。本人が吸っていなくても、職場や家庭での受動喫煙が影響することがあります。

肥満

体重の増加は喘息の発症リスクを高め、症状のコントロールも難しくします。横隔膜が押し上げられることによって増える肺への負担に加え、脂肪組織が喘息症状に関与する炎症物質を大量に出すことが関係していると考えられています。喘息と肥満の研究論文は数多く存在しています。近い将来、喘息コントロールと抗肥満薬の臨床治験も世界規模で実施される予定です。

ストレスと睡眠不足

自律神経のバランスが崩れると気道が過敏になりやすくなります。仕事の責任が増え、睡眠時間が削られやすい年代であることも背景にあります。

職業性の要因

粉塵、化学物質、金属、塗料、動物、小麦粉などに日常的にさらされる職場では、職業性喘息が起こることがあります。休日に症状が軽くなり、出勤すると悪化するというパターンがあれば、この可能性を考えます。

感染症をきっかけとした発症

風邪やインフルエンザなどの気道感染をきっかけに、それまで症状のなかった方が喘息を発症することがあります。「風邪のあとから咳だけがずっと続いている」という経過は典型的です。

こんな症状は喘息かもしれません

以下のような特徴があれば、喘息の可能性を考える必要があります。

  • 咳が2から3週間以上続いている
  • 夜間から早朝にかけて症状が強くなる
  • 市販の咳止めを飲んでも改善しない
  • 冷たい空気を吸ったとき、笑ったとき、話し続けたときに咳が出る
  • 季節の変わり目や天候が崩れる前に症状が出る
  • 運動したあとに咳や息苦しさが出る
  • 風邪をひくたびに咳が長引く
  • 胸が締めつけられるような感じがある

とくに「夜間・早朝に悪化する」「何かのきっかけで症状が出る」という2点は、喘息を疑う重要な手がかりです。

喘息の診断は症状だけでは確定できません。客観的な検査を組み合わせて評価します。

FeNO(呼気一酸化窒素)

息を吐くだけで、気道に炎症があるかどうかを数値で確認できます。20以上で気道に炎症がある可能性、35以上で喘息の可能性が高いと考えられます。痛みのない検査です。

呼吸機能検査(スパイロメトリー)

息を思い切り吐き出し、気道が狭くなっていないかを評価します。気管支拡張薬を吸入する前後で数値が改善するかを見ることで、喘息に特徴的な「可逆性」を確認できます。

呼吸抵抗(R5)

空気が気道を通るときの通りにくさを測定します。深く息を吸ったり吐いたりする必要がなく、楽に測れる検査です。

血液検査

好酸球の数や、アレルゲンに対するIgE抗体を調べます。炎症のタイプを知ることで、効きやすい薬を選ぶ手がかりになります。

胸部CT検査

咳の原因として、喘息以外の疾患を除外するために行います。当院では院内にCTを設置しているため、必要と判断した場合は診察と同じ日に検査できます。

喘息の気道では、炎症が続くことで組織の修復と損傷が繰り返されます。この過程で気道の壁が硬く厚くなり、狭いまま元に戻らなくなることがあります。これを「リモデリング」と呼びます。

リモデリングが進むと、長期管理薬が効きにくくなり、重症化の原因になります。一度この変化が起きてしまうと、正常な気管支に戻すことはできません。成人喘息は小児喘息よりもリモデリングが起こりやすいとされています。

また、1秒間に吐ける空気の量(1秒量)の低下速度にも差が出ます。コントロールが良好な方が年間13ml程度の減少にとどまるのに対し、治療を怠っている場合は年間40〜60ml以上減少するとされています。20年という単位で見れば、日常生活の実感として現れてきます。

だからこそ、炎症をしっかり抑えてリモデリングの段階まで進ませないことが重要です。早く診断がつくほど、選べる手段は多くなります。

治療には2つの目的があります。今ある症状をコントロールすることと、将来の重症化を防ぐことです。

中心となるのは、気道の炎症を抑える吸入ステロイドを含む長期管理薬(コントローラー)です。症状の有無にかかわらず毎日続けることで効果が出ます。発作が起きたときに使う発作治療薬とは役割が異なり、こちらだけに頼っていると炎症は抑えられません。

アレルゲンが関与している場合はアレルゲン免疫療法、高用量の吸入ステロイドでも安定しない重症例には生物学的製剤という選択肢もあります。

薬の種類や回数が生活に合わないために続かないという場合は、遠慮なくお伝えください。1日1回の吸入で効果が続く薬もあります。続けられる形を一緒に探すことが、治療の一部だと考えています。

  • FeNO・呼吸機能検査・呼吸抵抗測定:喘息の診断に必要な評価を院内で実施
  • 即日CT検査:他の疾患を除外する必要がある場合、同日に対応
  • アレルゲン検査:炎症のタイプと原因の特定
  • 吸入薬の選択・手技指導:生活に合った薬を選び、正しく吸えているかを確認
  • アレルゲン免疫療法・生物学的製剤:重症例や特定のタイプへの対応

こんな方はご相談ください
・咳が2から3週間以上続いている
・夜間や早朝に咳き込んで眠れない
・市販の咳止めが効かない
・子どもの頃に喘息と言われたことがある
・風邪をひくたびに咳が長引く
・運動後に咳や息苦しさが出る
・喫煙歴がある、または職場で粉塵や化学物質を扱っている

自由が丘フロントクリニックアクセスマップ

診療時間:9:00〜12:30 / 14:00〜18:00
休診日:日曜・祝日
※診療受付は終了30分前まで

自由が丘駅正面口から徒歩1分。目黒区・世田谷区にお住まいの方、お勤め帰りの方にもお立ち寄りいただきやすい立地です。

■院長/医学博士 田上 陽一(たがみ よういち)

2011年防衛医科大学校 卒業後に各地の自衛隊病院で呼吸器内科の研鑽を積み。2020年から横浜市大呼吸器内科に入局し、間質性肺炎などの呼吸器疾患において日本のトップ病院である神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器内科 医長を経て自由が丘フロントクリニック院長に就任。

【保有資格・所属学会】

  • 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
  • 日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医
  • 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医
  • 日本感染症学会感染症専門医・ICD
  • 日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医
  • 日本結核・非結核性抗酸菌症学会結核・抗酸菌症認定医
  • 肺がんCT検診認定医
  • 厚生労働省認定臨床研修指導医
  • 身体障害者福祉法第15条指定医(呼吸器)
  • 難病法における難病指定医(呼吸器)
  • 緩和ケア研修会修了医
  • アレルギー舌下免疫療法適正使用管理体制に基づく講義の受講・試験の修了医

■法人理事長 井上 哲兵 (いのうえ てっぺい)

医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ 理事長/医学博士
日本呼吸器学会 呼吸器専門医

2019年4月に医療法人社団南州会 理事長に就任。現在は4院の呼吸器医専門クリニックを要するフロントクリニックグループを運営。

フロントクリニックグループ一覧

【保有資格・所属学会】

  • 難病指定医(呼吸器)
  • 緩和ケア研修会修了医
  • 医学博士
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本呼吸器学会 呼吸器専門医
  • 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
  • 日本医師会認定産業医
  • 厚生労働省認定 臨床研修指導医
  • 身体障害者福祉法第15条指定医(呼吸器)

子どもの頃に喘息がなくても、大人になってから発症しますか?

発症します。成人喘息の多くは大人になってから発症したものです。喫煙、肥満、ストレス、生活環境、動物飼育などが背景になることがあります。子どもの頃に症状がなかったからといって、喘息ではないとは言えません。

ゼーゼーしないのですが、喘息の可能性はありますか?

あります。大人の喘息では喘鳴を伴わず咳だけが続く場合があります。夜間から早朝に悪化する、市販の咳止めが効かない、冷たい空気や会話で咳が出るといった特徴があれば、検査で確認する価値があります。

喘息と診断されたら、ずっと薬を飲み続けるのですか?

気道の炎症を抑える薬は継続が原則です。ただし、コントロールが安定していれば薬の量を減らせることもあります。減量や中止は必ず医師の判断のもとで行ってください。自己判断での中断は炎症の再燃と重症化につながります。

喘息は体質改善サプリメントや免疫を整える整体ストレッチで完治するというSNS発信がありますが本当ですか?

一部のSNSなどでは喘息はサプリメントによる体質改善で治る!や整体ストレッチを受ければ免疫が整って治る!などという耳当たりの良い発信が見受けられますが、科学的に正確に検証がなされているものはありません。簡単に言い換えると、現時点では科学的根拠がないと言えます。恐らく今後もそれら民間療法の科学的根拠が出てくることはないだろうと思います。

自由が丘で喘息の検査を受けられますか?

自由が丘フロントクリニックでは、FeNO・呼吸機能検査・呼吸抵抗測定・アレルゲン検査に対応しています。必要に応じて院内のCTで他の疾患の除外も同日に行えます。自由が丘駅正面口から徒歩1分、2026年9月17日開院です。

参考資料

  • 日本アレルギー学会『喘息予防・管理ガイドライン2024』
  • 喘息学会『喘息実践ガイドライン2026』
  • Global Initiative for Asthma (GINA) Report 2024
  • 日本呼吸器学会『咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019』

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